猫には様々な猫種がいますが、さらにそれぞれに様々な毛色がいます
なんでこの親猫からこの毛色の子猫が??と思われた方も多いのではないでしょうか(自分もです汗)
そこでここでは猫の毛色の遺伝パターンについて簡単にご説明したいと思います。摩訶不思議な猫ワールドの一端をご覧くださいw
三毛猫の母猫から生まれたキジトラ、茶トラ、シールポイント、レッドポイント…なぜ毛色が違うのか
猫の毛色の遺伝を説明するために、まずは分かりやすい例として我が家の猫ちゃんをご紹介したいと思います
まずは母猫ののんちゃん。ご覧のように三毛猫さんですね。彼女は4匹の子供を産んだんですが、お父さん猫はのんが野良猫時代に妊娠していたので分かりません。そして生まれたのが、ポツ、チャコ、メロ、バニラです
さて、三毛猫のんが生んだ子猫たちの毛色なのですが…
ポツ →シールポイント
チャコ→茶トラ
メロ →キジトラ
バニラ→レッドポイント
見事なまでにバラバラですwしかも母と同じ三毛猫は一匹もいません。でもこれって猫世界では珍しくもなんともないのです
同じ母猫から生まれたのに子猫の毛色が全然違う…その理由は大きく分けて2つ考えられます
父猫が違う…発情期に複数オス猫と交尾→同時に妊娠・出産パターン
猫というのは、違う父親の子猫を一度の出産で同時に産むことが出来る動物です
メス猫は一度に卵子を複数排卵することが出来ます。このような動物を多排卵動物といい、犬などもそうですが多胎動物では決して珍しくありません。基本的にメス猫は約10日間の発情期が終了するとオス猫との交尾を拒絶するようになるのですが、オス猫との交尾後、排卵して発情期が終了する間に別のオス猫と交尾した場合、受精していない卵子が残っていればその猫との子供も同時に妊娠することが出来ます
お父さん猫が違う猫種や毛色の猫であれば当然遺伝子も違ってくるので色々な毛色や模様の子猫が生まれてくるというわけですね。恐らくうちの子たちの毛色が違うのはこの可能性が高いのかなと個人的には思っています。複数のオス猫との遭遇の機会が多い外猫やノラ猫ちゃんはこのパターンが多いですね
優性遺伝や劣性遺伝による遺伝子の作用、隔世遺伝…孫やひ孫、子孫に受け継がれる毛色も
猫の毛色は遺伝的なパターンに基づいて決まります。親猫から子猫へと受け継がれる遺伝子が、その毛色や模様を決定します。毛色にはさまざまな種類があり、茶トラや白黒、茶白などが代表的です。これらの毛色は、猫の祖先である野生のネコ科動物の中でも見られる特徴です
遺伝子には「ドミナント遺伝(優性遺伝)」と「劣性遺伝」があります。ドミナント遺伝は、ある特定の遺伝子が優勢であるため、それが現れる確率が高くなります。一方、劣性遺伝は、特定の組み合わせが必要となるため、現れる確率が低くなります。これらの遺伝法則によって、猫の毛色は親猫から子猫へと引き継がれていきます
例えば、茶トラの親猫と白黒の親猫から生まれた子猫は、茶トラや白黒どちらかの毛色を持つ可能性が高いです(あくまで高確率という事)。さらに複雑になると、茶トラ×茶白の組み合わせから生まれる子猫はさまざまな毛色を持つことがあります。遺伝子の組み合わせによって、予測困難な毛色や模様を持つ子猫も誕生することがあります
さらに、劣性遺伝子が子ではなく孫やひ孫などに発現することも珍しくないです。人間でもおなじみの隔世遺伝というやつですが、猫にも同じ現象が起こります
猫の毛色のルーツを完全に知るためには、お父さん猫とお母さん猫だけではなく、隔世遺伝も考慮してその前の世代やさらにその前のご先祖様まで遡らなければならないうえに複雑な遺伝要素が絡んできますので、かなり困難な作業になります
完全な家猫でお父さんが特定されている状態で出産した猫ちゃんで子猫の毛色が全く違う場合にはこの遺伝パターンが原因と考えられるでしょう
クローン技術でも再現不可能な猫の毛色の複雑さや神秘性
さて、ご紹介したように猫が親猫の毛色と全く違う理由はとても深くて複雑怪奇です
その難しさを簡単に表現するエピソードとして、クローンで作り出した猫でもオリジナルの猫と同じ毛色になるとは限らないというものがあります。性格などを再現できないというのは理解できますが、見た目さえも再現するのは困難だという事です。近年目覚ましい発展を遂げている現代の遺伝子学、クローン技術をもってしても猫の毛色を同じにすることが出来ないという事が猫の毛色の神秘を物語っていますよね
猫の遺伝の神秘についてはこれからの更なる研究に期待したいという思いもありますが、完全に解明されない方がいいような気も個人的にはして悩ましいところですねw
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